2022/06/22

イーサネットフレーム

DIX規格のフレームフォーマット

以下は、DIX規格のフレームフォーマット
DIX規格のフレームフォーマット

プリアンブル

フレームを受信するステーションが、送信ステーション側のクロック周波数と同期をとれるよう、送信フレームの先頭に付加される。プリアンブルは16進表記で「AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AB」、2進表記では「10」の連続が62ビット続き「11」で終わる。最後の2ビット「11」はプリアンブルの切れ目を表し、SFD(Start Frame Delimiter)という。

宛先MACアドレスと送信元MACアドレス

MACアドレスは、ステーションを識別する6オクテットのアドレス。前半3オクテットはOUI(Organizationally Unique Identifier=管理組織識別子)で、IEEEで管理されている。IANAのOUIは「00-00-5E」。I/Gビット、G/Lビット、Iビットが規定されている。(IビットはOUIがIANAの場合に使用)

0のとき 1のとき
I/Gビット※1 単独のステーションアドレス マルチキャストアドレス
G/Lビット※2 グローバル(IEEE管理) ローカル
Iビット インターネット/マルチキャスト それ以外
※1 I/Gビットは「Individual/Group」を意味する
※2 G/Lビットは「Global/Local」を意味する。U/Lビット(Universal/Local)とも呼ぶ

ブロードキャストアドレスはすべてのビットを「1」にセットした「FF-FF-FF-FF-FF-FF」。
IPマルチキャストアドレスの場合、イーサネットフレームのMACアドレスは、IANAのOUIを指定したうえで、I/Gビットを「1」、G/Lビットを「0」、Iビットを「0」にセットし、残りの23ビットはIPアドレスの下位23ビットを指定する。例えば、OSPFルータを示す「224.0.0.5」というIPマルチキャストアドレスの場合、宛先MACアドレスは「01-00-5E-00-00-05」となる

IPマルチキャストアドレスをMACアドレスにマッピングする方法

イーサネットではオクテット内のビット伝送はLSB(Least Significant Bit=最下位ビット)からMSB(Most Significant Bit=最上位ビット)の順に行われる。よって、第1オクテットのLSBであるI/Gビットから伝送される。

MACアドレスのバイナリ表記と伝送順序の違い

タイプ

タイプ領域は上位層のプロトコル種別を表す。以下は代表例

タイプ(16進表示) 意味
0x0000~05DC IEEE802.3規格のデータ長(DIX規格では未使用)
0x05DD~05FF 未使用
0x0800 IPv4
0x86DD IPv6
0x0805 X.25 レベル3
0x0806 ARP
0x8035 RARP
0x8100 IEEE802.1Q(VLAN)
0x8808 IEEE802.3x(フロー制御)
0x8809 IEEE802.3ad(リンクアグリゲーション)
0x8137 PPPoE Discovery Stage
0x8864 PPPoE Session Stage
0x888E EAP

FCS

FCS(Frame Check Sequence)は、宛先MACアドレスからデータ領域までのビット列に基づいて生成される、誤り検出用のデータ。データ生成には32ビットCRC(巡回冗長検査)が用いられる。受信ステーションはFCSを用いて誤りを検出し、正常であれば上位層にデータを渡し、誤りがあればフレームを破棄し、再送要求は行わない

DIX規格フレームとIEEE802.3規格フレームの同時使用

IEEE802.3規格では、データ長の領域に設定される最大値は1,500オクテット、16進数で表すと「0x05DC」になる。一方のDIX規格では、タイプ領域に設定される値は「0x0600」以上が規定されている。よって、IEEE802.3規格とDIX規格は一つのLANに混在しても区別でき、併用可能となっている。

予約されたマルチキャストアドレス

IEEE802.1D規格とIEEE802.1Q規格は、01-80-C2-00-00-00~0Fのマルチキャストアドレスグループを、特殊な用途に割り当てている。以下はその一例
アドレス 用途
01-80-C2-00-00-00 STP(スパニングツリープロトコル:IEEE802.1D)
Multiple STP(IEEE802.1s)
Rapid STP(IEEE802.1d:2004(旧 IEEE802.1w))
01-80-C2-00-00-01 IEEE802.3xのPAUSEフレーム
01-80-C2-00-00-02 スロープロトコル
IEEE802.3adのLACP(Link Aggregation Protocol)
IEEE802.3afのOAM(Operations, Administration, and Maintenance)
01-80-C2-00-00-03 IEEE802.1x
隣接するブリッジ間でやり取りされるマルチキャストフレーム
ブリッジはこれをフラッディングしない
(ただし、Two-Port MAC Relayは、このフレームを転送する)

他に、「01-00-5E-xx-xx-xx」のマルチキャストアドレスは、IPマルチキャストパケットの転送に用いられ、ブリッジによりフラッディングされる。上記のマルチキャストアドレスはすべて、I/Gビットが「1:Group」にセットされている

IEEE802.3規格のフレームフォーマット

スパニングツリープロトコルのBPDUフレーム(IEEE802.1D)など、TCP/IP以外の通信ではIEEE802.3規格のMACフレームが使用されている。

IEEE802.3規格のフレームフォーマット

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