DIX規格のフレームフォーマット
以下は、DIX規格のフレームフォーマット
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DIX規格のフレームフォーマット |
プリアンブル
フレームを受信するステーションが、送信ステーション側のクロック周波数と同期をとれるよう、送信フレームの先頭に付加される。プリアンブルは16進表記で「AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AB」、2進表記では「10」の連続が62ビット続き「11」で終わる。最後の2ビット「11」はプリアンブルの切れ目を表し、SFD(Start Frame Delimiter)という。
宛先MACアドレスと送信元MACアドレス
MACアドレスは、ステーションを識別する6オクテットのアドレス。前半3オクテットはOUI(Organizationally Unique Identifier=管理組織識別子)で、IEEEで管理されている。IANAのOUIは「00-00-5E」。I/Gビット、G/Lビット、Iビットが規定されている。(IビットはOUIがIANAの場合に使用)
0のとき | 1のとき | |
---|---|---|
I/Gビット※1 | 単独のステーションアドレス | マルチキャストアドレス |
G/Lビット※2 | グローバル(IEEE管理) | ローカル |
Iビット | インターネット/マルチキャスト | それ以外 |
※1 I/Gビットは「Individual/Group」を意味する
※2 G/Lビットは「Global/Local」を意味する。U/Lビット(Universal/Local)とも呼ぶ
ブロードキャストアドレスはすべてのビットを「1」にセットした「FF-FF-FF-FF-FF-FF」。
IPマルチキャストアドレスの場合、イーサネットフレームのMACアドレスは、IANAのOUIを指定したうえで、I/Gビットを「1」、G/Lビットを「0」、Iビットを「0」にセットし、残りの23ビットはIPアドレスの下位23ビットを指定する。例えば、OSPFルータを示す「224.0.0.5」というIPマルチキャストアドレスの場合、宛先MACアドレスは「01-00-5E-00-00-05」となる
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IPマルチキャストアドレスをMACアドレスにマッピングする方法 |
イーサネットではオクテット内のビット伝送はLSB(Least Significant Bit=最下位ビット)からMSB(Most Significant Bit=最上位ビット)の順に行われる。よって、第1オクテットのLSBであるI/Gビットから伝送される。
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MACアドレスのバイナリ表記と伝送順序の違い |
タイプ
タイプ領域は上位層のプロトコル種別を表す。以下は代表例
タイプ(16進表示) | 意味 |
---|---|
0x0000~05DC | IEEE802.3規格のデータ長(DIX規格では未使用) |
0x05DD~05FF | 未使用 |
0x0800 | IPv4 |
0x86DD | IPv6 |
0x0805 | X.25 レベル3 |
0x0806 | ARP |
0x8035 | RARP |
0x8100 | IEEE802.1Q(VLAN) |
0x8808 | IEEE802.3x(フロー制御) |
0x8809 | IEEE802.3ad(リンクアグリゲーション) |
0x8137 | PPPoE Discovery Stage |
0x8864 | PPPoE Session Stage |
0x888E | EAP |
FCS
FCS(Frame Check Sequence)は、宛先MACアドレスからデータ領域までのビット列に基づいて生成される、誤り検出用のデータ。データ生成には32ビットCRC(巡回冗長検査)が用いられる。受信ステーションはFCSを用いて誤りを検出し、正常であれば上位層にデータを渡し、誤りがあればフレームを破棄し、再送要求は行わない。
DIX規格フレームとIEEE802.3規格フレームの同時使用
IEEE802.3規格では、データ長の領域に設定される最大値は1,500オクテット、16進数で表すと「0x05DC」になる。一方のDIX規格では、タイプ領域に設定される値は「0x0600」以上が規定されている。よって、IEEE802.3規格とDIX規格は一つのLANに混在しても区別でき、併用可能となっている。
予約されたマルチキャストアドレス
IEEE802.1D規格とIEEE802.1Q規格は、01-80-C2-00-00-00~0Fのマルチキャストアドレスグループを、特殊な用途に割り当てている。以下はその一例
アドレス | 用途 |
---|---|
01-80-C2-00-00-00 | STP(スパニングツリープロトコル:IEEE802.1D) |
Multiple STP(IEEE802.1s) | |
Rapid STP(IEEE802.1d:2004(旧 IEEE802.1w)) | |
01-80-C2-00-00-01 | IEEE802.3xのPAUSEフレーム |
01-80-C2-00-00-02 | スロープロトコル |
IEEE802.3adのLACP(Link Aggregation Protocol) | |
IEEE802.3afのOAM(Operations, Administration, and Maintenance) | |
01-80-C2-00-00-03 | IEEE802.1x |
隣接するブリッジ間でやり取りされるマルチキャストフレーム ブリッジはこれをフラッディングしない (ただし、Two-Port MAC Relayは、このフレームを転送する) |
他に、「01-00-5E-xx-xx-xx」のマルチキャストアドレスは、IPマルチキャストパケットの転送に用いられ、ブリッジによりフラッディングされる。上記のマルチキャストアドレスはすべて、I/Gビットが「1:Group」にセットされている
IEEE802.3規格のフレームフォーマット
スパニングツリープロトコルのBPDUフレーム(IEEE802.1D)など、TCP/IP以外の通信ではIEEE802.3規格のMACフレームが使用されている。
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IEEE802.3規格のフレームフォーマット |
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